現在、全世界で猛威をふるっている新型コロナウイルス。病名としてはCOVID-19と、ウイルス名としてはSARS-CoV-2と言われますね。
そこで気になるのがワクチンっていつできるの?ってことですよね。作るの簡単そうなのになぁ…とか思ってませんか?
そんなことないんです。ウイルスに対するワクチンって作るのが難しく、しかもそれを上市する(新薬を発売するときに使う言葉)には多くの段階を踏まなくてはならないのです。(治験のバイトとかありますもんね~。)
今回はそんなワクチンについて考えてみましょう!
ワクチンを大きく分けると3種類!?
ワクチンと聞くと何を思い浮かべますか?やっぱりインフルエンザの予防接種でしょうか?一番身近ですもんね~。
そんなワクチンにはいろいろな種類があって大きく分けると3つに区別できるんです。その3つとは次の通りです。
・生ワクチン
・不活化ワクチン
・トキソイド
順番に見ていきましょう!
生ワクチン
さあまずは1つ目。生ワクチンでは病気の症状が出ないくらいに弱毒化したウイルス(細菌の場合もある)を接種します。まあ弱いけど生きたまま体内に入れるってことですね。
えっっっ!!!体内にウイルス入れるの?って思った人もいませんか?(弱くしたウイルスだから大丈夫なんですけどね笑)
逆に言うと生きたままのウイルスや細菌を体内に入れるので、自然免疫と同じように抗体を作れるんですよね。なのでたいていの場合は1回の接種で十分だったりします。
生ワクチンの例としては、麻疹や風疹、おたふくかぜとかが挙げられますかね。こんな種類のワクチンがあるんです。
不活化ワクチン
続いて2つ目。不活化ワクチンですね。これはさっきの生ワクチンとは違って、ウイルスの毒性を完全になくしてしまってから、体内に入れるのです。(ちょっと安心な気もしますね笑)
ただウイルスの毒性を完全になくしてしまっているので、1回の接種では十分な免疫を作れないということもあるんですよね。
まあワクチンを接種することによってその病気にはかからないので、その点については安心ですね!
毒性を完全になくすっていうのは、体内で免疫を作るのに必要な成分だけを接種するってことなんですよね。
不活化ワクチンの例としては、インフルエンザが有名ですね。あとはジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオの混合ワクチンである四種混合ワクチンとかもそうですね。(四種混合ワクチンは2012年に導入されたみたいです。)
トキソイド
さあ最後は3つ目、トキソイド。ウイルスによってはその毒素が免疫を作るのに必要な成分だったりすることもあります。その毒素をホルマリンなどで処理することで毒性をなくしつつ、免疫を作るのに必要な成分は残しておこうといったものです。
ちょっとややこしいですが、まあ不活化ワクチンに似ています!笑
毒性をなくしているので不活化ワクチンと同様に何度かワクチンを接種するのが主流ですね。
破傷風とかジフテリアとかに使われます。
どうやってワクチンができるの?
ワクチンを受けられるようになるまでは多くの段階があります。(だから安心してワクチン接種できるんですよね~。)それをフェーズと言ったりするのですが、3段階あるんですね。
まずはフェーズI。これは比較的小規模な臨床試験です。少人数の健康な成人に対してワクチンを接種して、どのくらいの量を使えばいいか、副作用はあるのか、などについて調べます。
ここで安全性が確かめられると、次の段階へ進めます。
次はフェーズII。この段階では健康な成人に加えて、その効果が発揮されるであろう患者さんに投与することもあります。そのワクチンの効果はどうか、副作用はあるのかなどについて調べます。
効果があり、しかも安全であることが確認されると、次の段階に進めます。
最後はフェーズIII。この段階は一番研究費を使い、しかも人数も大規模にします。多数の人に接種しても安全性が保たれるか、そして本当に病気に対して有効なのかについて調べます。
ここでワクチンとして認められるかどうかが決まると言っても過言ではないでしょう。
これまで見てきたように、ワクチンを作るには、非常に手間をかけなければならないのです。